香りの散歩道


初天神

墨絵・朝野泰昌
「朝野家 香りの散歩道」
この番組は、山陰 湯村温泉、朝野家の提供でお送りします。

今日のお相手は、私、木村匡也です。
毎年1月25日は「初天神」の日。
学問の神様として知られる各地の天神様に、その年初めてお参りする縁日を、初天神と呼びます。
縁日といえば、屋台がにぎやかに並ぶ日だと思っていませんか。
もともとは仏教用語で、神仏とのご縁が結ばれる日のことです。

天神様は毎月25日が縁日で、この日にお参りする人が多いため、いつしか参道に屋台が出るようになったとか。
神仏とご縁を結べる上に、美味しいものや珍しいものが買えるとあれば、縁日を楽しみにしている人は多かったことでしょう。

「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」とは言わない約束で、父親と初天神にやって来た男の子が、「今日はずっと言わずに我慢してたんだから、ご褒美に何か買っとくれよ」と飴玉をねだる・・・ほほえましいやりとりが、『初天神』という落語の演目にもなっています。

天神様として祀られている菅原道真(すがわらのみちざね)公は、「その知恵で学問にも励みなさい」と、笑いながら諭しているかもしれませんね。
では最後に、道真公が京都から太宰府に移ることになったとき、庭の梅の木に別れを告げた歌を紹介しましょう。

東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ

春風が吹いたら、花の香りを届けておくれ。
主人(あるじ)の私がいなくなっても、春を忘れてはいけないよ。
その想いに応えた梅は、太宰府まで飛んで行ったという伝説も残されています。

*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



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